EMC/EMI/noise関連の規制との整合性

従来(昭和60.12.2 電気通信技術審議会(電技審)答申)わが国の雑音端子電圧の限度値(CISPR14,22の対象品に対する)150kHz〜526.5kHzは, 設計目標値という言葉を使用しており, 事実上規制の対象外であった.
しかし, 平成9年(3月24日)電技審答申において, 設計目標から正規許容値とし, 移行期間/暫定許容値を規定した\cite{JET}.

• CISPR（International Special Committee on Radio Interference; 国際無線障害特別委員会） Pub.22(1985), Pub.11, Pub.14
  • 情報技術機器（ITE;Information Technology Equipment)が発生するスプリアス信号の限度値が示されている。
  • PLCに抵触するのは、
    • 雑音端子電圧（準尖頭値、平均値）: 0.15MHz〜30MHzの範囲で規定
    • 輻射電磁界強度： 0.285MHz〜1000MHｚの範囲で規定

• 電気用品取締法（通産省 49.12）
  • 0.15MHz〜30MHzの範囲の雑音端子電圧（準尖頭値、平均値）, 雑音電界強度を規制
  • 電源線端子伝導妨害波の許容値も、0.15MHz〜30MHzの範囲で規定

一方、周波数配分表によると、電磁誘導加熱式調理器は20.05ｋ〜100kHzの使用を認められており、上記EMI/EMCの規制からは外れた範囲である。このため、電磁誘導加熱式調理器から発生するノイズは、PLCで許容されている送信電力以上になるといった、不整合は起こりうるのではないか？！

• VDE. 0875 (西ドイツ1971.7)、0871
  • 雑音端子電圧: 0.01MHz〜30MHzの範囲で規定
  • 輻射電磁界強度： 0.01MHz〜1000MHｚの範囲で規定
• 高調波電流の対策（菊水）

参考文献

雑音技術、ノイズ研究所 編集発行、1985年10月